年末からずっとやっていたCall of Duty: Modern Warfare2
ヒラコーばりにストーリーモードも何回もクリアしたので、ここらで感想。

まず前作のお話。現代戦を描いた(正確には現代戦ではありませんが)前作のModern Warfareは
コンシューマ向けハードのFPSゲーム史に残る傑作だったと思います。

FPSというジャンルは『照準を定めて引き金を引く』という基本操作と、
『一人称の視点』ゆえに演出とストーリーテリングが限られてくるという欠点がありました。
しかし、ストーリー性が薄くていいのか、というとHaloが壮大なストーリーを取り入れて成功したように、
ユーザの中にはストーリー性を求めている人も多いです。

演出力の貧弱さを解決するためにModern Warfareがやったこと、
それは右スティック一個で『死』を演出したことです。
プレイヤーが死に直面する場面が3回ほど出てくるのですが、出来るのはほとんどが右スティックの視点移動のみ。
つまりFPSの一人称の没入度を逆手にとってプレイヤーに死を演出することにしたのです。
ここで重要なのが、プレイヤーキャラの死、ではなくプレイヤーの死ということです。
一般的な、例えばRPGではキャラクターを通して死を描きますが、ここではプレイヤーを当事者として
「当事者感覚」をプレイヤーに印象付けるように死の演出が行われます。
これはユーザ的体験というより、当事者的体験とでも言うべきもので、非常に画期的だったと今でも思っています。
FPSの特性を生かした演出をどうすればいいのか、そしてその演出が生きるシチュエーションは死に瀕しているときである。これこそゲーム的体験ですよね。
それを可能にしたのはやはり説得力のある演出を可能にするマシンパワーとinfinity wardのすさまじいまでの資本投下があってこそなのですが。
廉価版が出ているのでやってない人は是非こちらからプレイしてみてください。

・Modern Warfare2を構成しているもの
前置きが長くなりましたが、そろそろModern Warfare2の話を。

1作目は上に述べたように演出をドラマチックな要素として、ゲーム内に「設置」していました。
今作では、ゲームの中に演出を「設置」する、という観点から外れ、演出が「シームレス」に存在する構成を目的に作られていると思います。
つまり、ゲームの進行があって、そこにイベントが発生し、ムービーがはさまれ、劇的なシチュエーションになる。
というゲームの構成自体がすでに古い!という風に突きつけています。
そのシームレスな演出を可能にしている要素として、人間の描写が非常に優れていることが挙げられます。

これは、クリア後に現れる博物館ステージ(人物のCGモデルを見ることができるステージ)で人物のモデリングや動きを見ればわかるのですが、CGのキャラクターとして1体1体の完成度が恐ろしく高い。
ムービーを使って1つの場面を作り上げるより、リアルタイムで1つの場面を演出したほうがシーンの説得力が増す。
しかし上記のことはわかっていてもこのレベルまで行くには非常に作りこまれたCGモデルが必要であることでしょう。
僕は最初博物館ステージが何故あるのか?このステージを作るぐらいだったら前作のようなエキストラミッションを作る手間とそう変わらないのでは?と思ったのですが、人物のモデリングを見て、「ああ、つまりこの人物の完成度こそがこのゲームのキモだったんだとinfinity wardは教えたかったのか」と納得しました。

・ストーリー
ストーリーに関してはやや説明不足が目立ちました。せっかくミッションの合間にブリーフィングの時間があるのに説明されていないことが多すぎる。
核兵器の大気圏爆発により、電子機器が不能になる。そのことがとりあえずのロシア軍の撤退を促す。
というのは一応説明しなければいけない場面だと思います。一応シチュエーションで思わせぶりに示されてはいるんですけどね。
その他にも誤訳問題などありましたが、全体的に見ればソープを軸としてよくまとまっている印象です。
特に前半でのやたら頼りになる”マクタビッシュ”が前作のソープだとわかった時のうれしさ、そして囚人がプライスとわかったとき、プライスとスナイパーのミッションに入る意味などは1をやっていればゾクゾクくるはずです。

そしてクライマックス、またもや死に掛けのソープが一筋の光明を見出す場面。
ここで右スティックによる視点移動で、、今まではただ死んでいくのを見るしかなかった右スティックで
ソープは希望を見出します。………

Call of Duty Modern Warfare2は2009年ベストゲームでした!
前作をプレイするという条件付でオススメです!